腰痛は、短期間で速攻で治すべきである。

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3ヶ月で集中して速攻で治すこと

次に、「3ヶ月で集中して速攻で治すこと」について説明いたします。
腰痛を消し去ることにおいて、これはとても重要な心構えなので、ぜひ読み飛ばさずにしっかりと心に刻んでいただけたら、と思います。

日常生活は、スポーツと同じである

まず、「日常生活とは、スポーツそのものである」とお考えください。
スポーツでは、いろいろな「技術」を磨きますよね?日常生活も、それと同じだと考えてみるということです。

これは、腰痛を完治させるヒントとなります。

たとえば、筋トレやストレッチ。なぜ、スポーツの世界では筋トレやストレッチをするのでしょうか?それは、野球やサッカーなど、そのスポーツ競技のパフォーマンスを上げるためです。

それと同じように、日常生活も、筋トレやストレッチを行うことによって、そのパフォーマンスを上げることができます。つまり、腰の痛みに悩まされることなく、スムーズな動きで日常生活を送ることができるのです。

では、スポーツにおいて、「うまくなる」ためにはいったいどうすればいいでしょうか?
それは、「没頭する時期を過ごす」ことです。

どの競技においても、スポーツの上級者は必ず「没頭した時期」を過ごた上でうまくなっています。ダラダラと、長年にわたって遊び程度で練習してきた人はうまくはなれません。

これは、スポーツ以外でも言えます。たとえば、楽器。
楽器がうまい人はかならず、「没頭した時期」を過ごしています。その時期に思いっきり熱中し、楽器を練習しまくり、演奏しまくっているのです。

たとえば、ルナシーの真矢さん。彼は、リズムが正確で手数が多く、響きがとても豊かなドラム演奏をします。かなりの上級者であり、プロ中のプロです。真矢さんの演奏を聴く限りでは、「さぞかし長年、練習しまくってきたんだろう」と思ってしまいます。

ですが、事実は違うのです。真矢さん自身の語るところによると、彼のドラムテクニックは、実は高校時代にほとんど完成されていたそうです。もちろん、今はプロとして活動されていますから、練習もプロとして緊張感を持ち、時間もかけて行っているでしょう。

しかし、ここで重要なのは、あくまで「真矢さんのドラムテクニックの根幹部分は、すでに高校時代に完成されていた」という事実です。その根幹部分があった上で、プロとして経験を重ねていき、ますます上達して現在のようなすばらしいドラムテクニックとなっているのです。

腰痛治療に「没頭」する。かなり大事!

では、これを腰痛治療に当てはめて考えてみましょう。
スポーツや楽器の上級者がかならず経験している「没頭する時期」を、腰痛治療においても経験したとします。

すると、腰の状態の基礎部分ができあがります。日常生活もスポーツの一種だと考えて、うまく「練習」して基礎をつければ、日常生活で必要な動きを問題なく行うことができます。そういう状態は、当然、「腰が痛くない状態」です。

つまり「腰痛が治っている」状態です。

その「基礎」があった上で、あとは状況に応じて、筋トレやストレッチをときどき行えばさらにいろいろなことができます。たとえば日常生活だけでなく、スポーツもしたい、ということであれば、少し強化するような筋トレやストレッチになるでしょう。

あるいは、日常生活だけで十分ということであれば、いい状態を維持するような筋トレなどを行えばいいということになります。

もちろんここまでくれば、すでに「没頭する時期」を過ごした後ですから、筋トレやストレッチの量、整体に通う回数などは、それほど多くする必要はありません。全く何もしないと衰えるばかりですのでそれはダメですが、ある程度の量の治療活動を行っていけばいいわけです。

短期集中で腰痛治療に没頭すべき

ここで、「没頭する時期」のポイントを述べたいと思います。
それがまさに、「短期集中」なのです。だからこそ、僕は腰痛は「3ヶ月で、速攻で治す」ことを提唱しているのです。

これも、スポーツや楽器などで考えてみればわかります。
「没頭する時期」は、練習によって様々な感覚が洪水のように自分の体の中に入っていきます。人間は忘れる生き物ですが、洪水のように入ってくる感覚は、忘れる速さよりももっと速く入っていきます。

これを、もしダラダラと長い期間をかけて練習していたら、せっかく体に染み込んだ感覚も、次の練習のときには忘れてしまっています。なので、練習のたびに、「振り出しに戻った状態」が続き、いつまでたっても上達しません。

ロケットも、発射のときに一番、エネルギーを使う

こういうことは、ロケットにもたとえることができます。

ロケットは、発射するときに一番、エネルギーを使います。もし、発射するときに小さなエネルギーしか使わず、ダラダラと時間をかけたパワーを使って飛ぼうとしても、いつまでもロケットは上昇することはありません。最悪の場合、半端な上昇のために倒れてしまいます。

なので、発射のときにこそ、最大のエネルギーを使うべきなのです。

そして、いったん、宇宙空間に放たれれば、文字通り「軌道にのります」。このときは、少しのエネルギーを使うだけで大丈夫なのです。

人間が何かの分野で成長するときも同じです。成長するということは、今までの自分から離れて、新しい段階へ行くことです。

そのためには、「今までの自分から離れる、その瞬間」に最大限のパワーを使って過去を突き放していく必要があるのです。で、いったん成長し、新しい段階に来たら、あとは少しのエネルギーを使って維持するだけで大丈夫なのです。

腰痛治療もこれと同じです。「腰が痛い自分」を突き放して「新しい自分=腰痛のない自分」に変わっていくためには、ダラダラと治すための行動をするのではなく、短期間で速攻で突き放すべきです。だからこそ、僕は「3ヶ月間で、速攻で治すべき」と僕は提唱しているのです。

次の記事では、「筋肉に着目する」ことの重要性について書きますね。

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