筋肉を柔らかくする
次に、「筋肉に着目する」について説明いたします。
・・・実は、これこそが、トップページで僕が書いた、「あることに着目する」の「あること」なのです。
つまり、「あること」とは、「筋肉」なのです。筋肉に着目し、筋肉の状態をよくしていけば、痛みはなくなります。
筋肉の状態がよくなる、とは、柔らかくなることです。
なぜ、腰の筋肉の状態がよくなれば、痛みがなくなるのか
では、なぜ筋肉の状態をよくすれば痛みがなくなるのか、説明しますね。
壊れたラジオで例えると・・・
例え話をします。
電源スイッチが壊れたラジオをイメージしてください。壊れているのですから、当然、そのラジオは、音が鳴りません。なので、あなたはそのラジオを使わないまま、長期間、放置していました。
で、放置してから5年ほど経ったある日、あなたはラジオを直そうとして、電源スイッチを取り替えました。さて、このラジオは正常に使えるでしょうか?
答えは「NO」です。正常に使えません。音が鳴らないかもしれません。鳴ったとしても、ガリガリとノイズが入るでしょう。
なぜなら、長年、放置していたことによって、中の部品がさびてしまったからです。
つまり、直接の故障原因であった「電源スイッチ」を替えても、長年放置していたら、中の状態も悪くなってしまうのです。
だから、正常に使えるようにするためには、中の部品を洗浄するなどして、さびを落としていかなければなりません。そうしてはじめて、ラジオは正常に使えるようになるのです。
壊れたラジオの話を、腰痛に置き換えて考えると・・・
これを、腰痛で考えてみましょう。あなたの腰に、ある日、異常が起きました。仮にここでは「腰椎の骨折」だとしましょう。腰椎の骨折が起きても、筋肉が体を支えるので、少し痛みがあったとしても、すぐに痛みが消えることもあります。
あなたの場合も、「ちょっと腰が痛かったけど、いつの間にか痛みがなくなったからいいや」と、病院にもいかずに放っておいたとします。その状態で、骨が折れたまま、数年が経ちました。
すると、再び痛み出しました。今度はかなりの激痛です。たまらず、あなたは病院に行きました。そこで、腰椎が折れていることを指摘されました。あなたは手術を希望しました。骨を金属でつなぐ手術です。そして、実際に手術を受けました。
さて、果たして、痛みは取れるでしょうか?
答えは「No」です。
なぜなら、長年、放っておいたために、腰まわりの筋肉は変な状態で安定してしまっているからです。さらに、その「変な状態で安定」しているのは、腰を使わないようにかばっているからであり、腰を使わないようにしているということは、腰まわりの筋肉も使われていないことになります。
その結果、腰まわりの筋肉がさびついてしまっているのです。だからこそ、いくら腰痛の「原因」である「骨折」を手術によって元通りにしたとしても、腰まわりの筋肉はそのままなのですから、痛みは取れないのです。
いや、取れないどころか、なまじ手術で骨折を治したがために、「骨折している状態」で安定していた腰まわりの筋肉は、急な体の状態の変化についていけず、悲鳴をあげることにもなります。つまり、手術前よりも痛みが増すといったことさえ起きるケースさえあるのです。
腰痛は腰まわりの筋肉の状態が悪くなるからこそ起きる
つまり、腰痛は筋肉の状態が悪くなっているからこそ起きるのです。骨折しているからではありません。もちろん、腰痛を引き起こした「原因」は骨折(あるいはヘルニア、骨のズレ、脊柱管の狭窄など)です。しかし、そこから引き起こされる「現象」として「筋肉の異常」があります。それこそが、痛みを引き起こすものです。
ならば、慢性腰痛になってしまった以上、「原因」を取り除くことより、「現象」を取り除くことこそが、腰痛から開放される本当の意味でのカギということになります。
「筋肉の状態をよくすること」に全力をそそぐべし
なので、治療にあたっては、「筋肉の状態をよくすること」このことに全力を注いでいく必要があります。
僕は、「3ヶ月間で、速攻で腰痛を治す」ことを提唱しています。もう少し詳しくいうと、この「3ヶ月間の治療」の目標とは「筋肉の状態をよくすること」なのです。
つまり、
- 整体に通う
- ストレッチをする
- 運動をする
- 腰痛治療の器具を使う
- サプリメントを飲む
これらのことは、全て「筋肉の状態をよくすること」を目標として行うべきなのです。目標を意識するのとしないのとでは、結果に大きな差が出ます。これは、どんな分野にも言えることです。
たとえば、「字をうまく書く」ということで考えてみます。この場合、
と、
とでは、数ヵ月後に圧倒的な差が出るでしょう。前者の方が、明らかに文字はうまくなります。これは、目標を強く意識しているからです。
腰痛治療もこれと同じです。
整体に通う心構えとは?
たとえば、整体に通うにしても、「筋肉の状態をよくすること」を強く意識して通うのと、ただダラダラ整体の先生におまかせする意識とでは、結果が大きく違ってきます。
もちろん、整体の先生はそれぞれ考えがあって、骨を矯正したり、マッサージしたり、といろいろな目的、手段があって施術を行うものです。
しかし、それとは別に、あなたの意識の中では「筋肉の状態をよくすること」を強く意識すべきなのです。整体の先生の施術は、あなたの目標である「筋肉の状態をよくすること」をサポートしてくれるものだと強く認識すれば、腰痛への効果は絶大なものとなります。
つまり、
- 整体の先生が骨を矯正してくれた
- だから、筋肉の状態をよくするのに、とてもいい体の状態になった
- だから、自分で行うストレッチの効果が増した
- その結果、筋肉の状態がよくなった
- 最後に、腰の痛みがなくなった(完治した)!
このような流れとなるのです。
あくまで、整体での施術は、「完治へのサポート」です。サポートだからこそ、完全ではありません。あなた自身の努力が必要なのです。決して「依存マインド」にはならず、あなた自身の強い意識によって、完治を目指してください。
そして、その意識すべき明確なポイント、それがまさに、「腰まわりの筋肉をよくすること」なのです。
次の記事では、「筋肉に着目すること」の重要性について、さらに深堀りして書きますね。