脊柱起立筋(背骨に沿った筋肉)が原因で腰痛になっているケース【見分け方と治し方】

天野です。本日のアウトプットです。

以前の記事で、「原因不明の腰痛(非特異性腰痛)」の原因は、可能性として以下が考えられる、と書きました。

  1. 椎間板 (可能性20%)
  2. 椎間関節 (可能性40%)
  3. 仙腸関節 (可能性10%)
  4. 背骨に沿った筋肉 (可能性30%)

この記事では、このうち「背骨に沿った筋肉」に原因がある場合の見分け方を書いていきます。

脊柱起立筋(背骨に沿った筋肉)が原因かどうかの、見分け方

脊柱起立筋(背骨に沿った筋肉)が原因で腰痛になっているケースの、見分け方は、背中の「脊柱起立筋」があるあたりを押すだけです。その具体的な場所とは・・・

まずは、以下のイラストを見てみてください。

(このイラストは、背中から見たものです)

このイラストを参考にして、脊柱起立筋があるあたりを指で押してみてください。
(脊柱起立筋の、腰のあたりに限定して押してください)

それで、痛みを感じたら、まさに「脊柱起立筋が原因で腰痛が起こっている」ということです。

もちろん、慢性腰痛は複雑な要素がからみあっていますから、これが完全に正解というわけではありません。しかし、少なくとも仮説を立てることで、対策がしやすくなり、治りが早くなります。

どうでしょうか?

脊柱起立筋のあたりを押してみて、痛みを感じましたか?ここでひとつ、注意点があります。それは、

体のの方に痛みを感じた場合は、脊柱起立筋が原因ではない

ということです。
なぜなら、脊柱起立筋は、体のにある筋肉です。インナーマッスルではないのです。
なので、もし、押してみて痛みがあったとしても、それが体の奥の方から感じる痛みだった場合は、他の箇所が原因です。脊柱起立筋ではありません。

これを確認したうえで、もう一度、脊柱起立筋があると思われる場所を、いろいろと押してみてください。

どうでしょう?まさに、背中の表側に痛みを感じましたか?

もしそうなら、あなたの腰痛の原因は、脊柱起立筋が原因だ、といえそうです。

そうとわかったら、早速、対策しましょう!

脊柱起立筋が原因での腰の痛みは、こうやって治す!

脊柱起立筋が原因での腰痛は、他のタイプの腰痛と比べて、治しやすいです。
たとえば僕の場合は、「第5腰椎分離すべり症」です。つまり背骨が折れているのです。
(腰痛がない今でも、背骨は折れたままです)

これは、ヘルニアや、椎間板の損傷などにも言えることです。要するに、痛みの原因である「筋肉の硬直」を引き起こした犯人が、手ごわいのです。

なので、僕の提唱する「患者先行型治療」では、その「犯人」はほっといて、犯人が作り出した「現象」である「筋肉の硬直」を治すことに専念します。

というのも、腰痛患者はほぼすべてが、腰まわりに「筋肉の硬直」があるのです。なので、「ほぼすべての腰痛患者に共通する条件」からあなたが外れれば、もう、あなたは腰痛患者ではなくなるのです

さて・・・

このようなことから考えれば、脊柱起立筋が原因で腰痛になっている場合は、「犯人」がいませんね?まさに、「現象」だけがあるのです。なにせ、骨が折れてもいないし、神経が圧迫されてもいないのですから。

「犯人」がいる場合は、体が腰痛を治そうとしても、犯人がじゃまをしてきますが、脊柱起立筋が原因の腰痛の場合は、犯人がいないので、回復をじゃまされません。

なので、あなたが「治そう!」と努力すれば、ダイレクトに効果が出て、すぐ治るのです。

ですので、希望をもって、治療に取り組んでください。

脊柱起立筋が原因の腰痛を治すための方針

脊柱起立筋(背骨に沿った筋肉)が原因で起こっている腰痛を治すためには、以下のふたつの大きな方針をかかげましょう。

  • 脊柱起立筋をストレッチする
  • インナーマッスルをたたき起こす

この方針をかかげる理由を説明しますね。

まず、脊柱起立筋は、ひとことで言うと、「働き者」です。他の筋肉がサボっているときに、かわりに働いていろんな動きをしてくれるんですね。

本来なら、インナーマッスルがきっちり働いて体を支えなければならないのに、いつの間にか働かなくなることがあります。インナーマッスルは、怠け者なんです(# ゚Д゚)

では、なぜインナーマッスルは、怠けるのでしょうか?その原因の代表例があります。

それは、「長期間のデスクワーク」です。

デスクワークは、ずっと同じ姿勢で仕事をしますから、体が、「動く」ことを忘れるんです。
だから、再び動き出したときに、うまく体が動かない場合があるのです。

たとえば、あなたはこんなシーンを見たことがありませんか?

ある政治家が、選挙のときだけ必死になって「庶民派」アピールをして、自転車に乗るシーンを・・・その様子を思い出してみてください。その政治家は、自転車にすんなりと乗れてますか?

ふらふら、ふらふらと、なんか無理して乗ってますよね?それを見てあなたは、

お前、普段、ぜってー自転車に乗ってねーだろ

って思いませんか?無理して庶民派をきどっても、バレバレなんです。体は正直なんです。
特にインナーマッスルは、こう叫んでいるでしょう。

「いきなり自転車乗るんじゃねーよ。俺はボイコットじゃ!。サボってやる!」

と。まあ、普段、ダラダラと怠惰にさせていたんですから、こう思って当たり前ですね。
まるで、さんざん、甘やかされてきた子供(インナーマッスル)が、勉強もせずにゲームばかりしていて、そのまま大人になって社会に放り込まれる。そして、その負荷に耐え切れずに、ニートになるようなものですね (;^_^A

これではダメです!

デスクワークでずっと動かなかったインナーマッスル(ニート)は、完全に本来の動きを忘れてしまっています。なので、たたき起こして、働いてもらいましょう!

インナーマッスルにしてみれば、最初はつらいかもしれないけど、結局は、本来の力を出した方が、輝くんです。「やればできる子」です!

一方、インナーマッスルがサボっているときに、代わりとして働いていたのが「脊柱起立筋」です。それはそれは、涙の物語。本来の、自分だけの仕事以上に、インナーマッスルの仕事も背負わされたんですから。だから、悲鳴をあげたんです(これが腰痛です)。

相当、疲れていますよ。

だから、よくストレッチして、癒してあげましょう。

以上の理由で、脊柱起立筋が原因で腰痛になっている場合は、上にあげたふたつの方針で治していくのが大事、ということですね。

・・・というわけで、まずは、「インナーマッスルのたたき起こし方」から紹介しますね。

インナーマッスルの機能を復活させよう!(たたきおこそう!)

さて、まずはインナーマッスルに本来の力を取り戻してもらいましょう。
眠っているインナーマッスルたちを、たたき起こす感じですね。

腰痛に関係するインナーマッスルには2つあります。

ひとつ目は、腹横筋(ふくおうきん)です。この「腹横筋」の働きを復活させる方法は、ズバり、

「ドローイン」

です。超有名な運動ですね。

「ロングブレスダイエット」で有名になりました。あのお腹を引っ込める運動ですよ。

超簡単。腹横筋を目覚めさせる、ドローインをやろう!

以下のyoutube動画を参考にしてやってみてください。

(この映像は、youtubeの「Reebok + FITNESS」チャンネルさんから引用させていただきました)

これはほんとに簡単です。

以前に、「寝た状態でのドローイン」をご紹介しましたが、立った状態でもOKです。要するにどっちでもいい、てことです。やりやすいと感じた方をやってみるといいでしょう。

「正しいやり方」にあまりこだわらず、お腹をきゅっとひっこめて、「腰が絞られてる感」を感じたら、それでOKです。いつでも、どこでもできます。信号待ちのときや、レジの待ち時間など・・・

体操やストレッチは、人前ではちょっと恥ずかしいものもあったりしますが、これは、お腹をひっこめていることは服に隠れてわかりませんからね。
(ただ、食後すぐは控えてくださいね)

これはもう、習慣を通り越して、クセにしたほうがいいです。

つい、忘れてお腹をだらーん、としてしまうと思いますが、とりあえずは、思い出したときだけ、でいいです。そのうち、習慣になりますから。ドローインを続けていると・・・腹横筋(ニート)が・・・こう、叫びます。

「なんだ、俺って、寝てる場合じゃないじゃん!ニート脱出して働こう!」

とね。こう言って腹横筋(ニート)が目覚めてくれるんです。そうなればこっちのものです。

腹横筋は、腰全体を覆っている筋肉です。まさに、コルセットそのものです。なので、コルセット(腹横筋)がしっかりすれば、脊柱起立筋の負担が減ります。

だから、あなたの腰の痛みが減っていくというわけです。

こんどは多裂筋をたたき起こそう!(これもインナーマッスルです)

腰痛に関係するインナーマッスルの、2つ目は、多裂筋(たれつきん)です。

以下のイラストを見て下さい(いつもながら、下手な絵ですみません(-_-;))

この記事の最初に書いた「背中に沿った筋肉」は、脊柱起立筋(せきちゅう・きりつきん)でしたね。で、今から書くのは、多裂筋(たれつきん)についてです。

多裂筋は、インナーマッスルですから、体の奥にあります。イラストで、確認してみてください。体を、横から見たイラストです。

位置的に、脊柱起立筋が、多裂筋が、ですね。

で、この多裂筋の方が、サボってしまって、脊柱起立筋の方が働きすぎてしまって腰痛になった、というわけです

なので、多裂筋をたたき起こして、本来の働きを取り戻してもらいましょう!

そのための方法は、以下です。

おじぎのポーズですね。これで静止するのです。時間と角度は、適当で構いません。あなたなりに、「多裂筋のあたりにビンビン来てるなぁ」と感じたなら、それでOKです。静止しているだけなので、あまり筋肉を使ってないように思えるかもしれませんが、実は、多裂筋がしっかりとあなたの体を支えてくれています。

通常のおじぎとは違って、背中を丸めないでくださいね。背中はまっすぐなまま、腰だけでおじぎしている状態にしてください。

ちなみにあなたは、日常的に、このようなポーズを取りますか?おじぎすることはあると思いますが、このまま止まることはないですよね?

普段、しないポーズなので、必要以上の負荷をかけなくとも、十分、多裂筋は働くのです

ちなみに・・・

多裂筋を鍛える方法として、よく知られているのが、「プランク」です。これは、体幹トレーニングやピラティスとしてよく紹介されます。

 

これらの方法は、腰に負担がかかるので、やめた方がいいでしょう。だからこそ、おじぎのポーズをおすすめするのです。おじぎのポーズは、腰にあまり負担がかかりませんからね。

脊柱起立筋のストレッチ方法(超・超・簡単)

さて、2つのインナーマッスルに本来の働きを取り戻してもらう一方で、今までインナーマッスルの分まで余計に働いてくれた脊柱起立筋を癒してあげましょう

よ~く伸ばしてケアしてあげると、脊柱起立筋の疲労は回復します。そのストレッチ方法は・・・

以下のイラストを見てください。

このように、体をひねるだけです。簡単ですね!

注意点としては、背中がしっかりと伸びている、というポジションを探りながらやること。適当にひねっても伸びますけど、やっぱり、よりベストなポジションを探ったほうがいいです。

ひねって、20秒ほど止める。そして、深呼吸を入れるとさらに効果的ですよ。深呼吸は、筋肉に作用しますからね。

もちろん、逆にもひねります。そして、深呼吸ですね。

これを、一日に何回も、思いだすたびにやってみてください。職場でも簡単にできますね!

(ただ、伸ばしすぎは厳禁ですよ!筋肉を痛めてしまいますからね。あくまで、あなたが伸ばせる範囲で行ってください。)

まとめ

どうでしょうか?原因がわからない腰痛(非特異性腰痛)のうち、椎間板や椎間関節などが原因の場合は、治るまで時間も手間もかかります。ですが、今回のように、「背中の筋肉が原因」であると思われるケースの場合、簡単に治ります。

あなたが、しっかりとインナーマッスルをたたき起こして、さらに、脊柱起立筋をストレッチして癒してあげられるかどうか、です。

ぜひ、試してみてくださいね。あなたの腰痛がよくなることを、祈っています。

以上、天野からの、あなたへのアウトプットでした。頑張っていきましょう!