「患者先行型治療の3ヶ月間」の全般に言えることですが、あなたは、「腰痛」という好敵手と戦っているとイメージしてください。
とはいえ・・・
「敵」なのですが、モンスターのような「恐ろしいもの」をイメージしないでください。
なぜなら、腰痛はあなたの体内にあるからです。もちろん、腰痛はあなたに痛みをもたらす憎い存在ですが、今やあなたの一部となっていることもたしかなのです。
なので、モンスターのようないかにもな「ワル」をイメージするのではなくて、スポーツにおけるライバルのような、憎くはあるけど切磋琢磨できる存在をイメージしてください。
あなたは、その「ライバル」と戦うのです。
さて、その「ライバル」の強さですが・・・かなり強いと思ってください。
高校野球の甲子園でいえば、大阪代表の私立高校だと思ってください。大阪代表は、毎年、優勝候補に名前があがりますよね?それに対して、あなたは、地方の県立高校です。
普通にやっていれば、負けます。でも、甲子園でもたびたび番狂わせが起こるように、あなたと腰痛の戦いにおいても、あなたさえしっかりしていれば、十分、勝てるのです。
そのために、1ヶ月目に模索し、2ヶ月目に実践、練習をしてきたのです。
いよいよ、3ヶ月目が、本番です。つまり、甲子園大会です。あなたの練習の成果が出るかどうか、それが、この3ヶ月目に試されるのです。
大丈夫です。ここまでしっかりと準備をしてきたあなたですから、かならず勝てます。
そのためには、試合運びを間違えないことです。甲子園で大物食いをする地方の高校は、「気合」が半端ないです。その気合を味方にして流れを完全にこっちに持ち込み、勝利を手にするのです。
ですから、3ヶ月目のあなたに必要なのは、「気合」です。
・・・「なんだ、結局、気合かよ。もっと合理的に治したいのになあ。」
もしかしたら、あなたはこのように思うかもしれません。
僕も、あまり「気合」ということは言いたくありません。効率よく治していくことは、とてもいいことだと思っています。
しかし、結局、最後はどこで決まるかというと、あなた自身の「気合」なのです。
スポーツでも言えることですが・・・
ある高校野球チームが猛練習を重ねて、技術的にも上手くなってきた。そこで、いよいよ夏の大会が始まりました。この、最後の最後、肝心なときに気を抜いてしまったら、試合で負けてしまいます。
高校野球はトーナメントなので、一発勝負です。練習でどんなに技術をUPさせようとも、最後の肝心なときに気合を入れなければ負けてしまうのです。
あなたは、腰痛を完治させるべく、初月の「模索の時期」、そして2ヶ月目の「実践の時期」を過ごしました。もう、十分に、自分の腰痛を治すための道は見えているはずです。
あとは、「完成の月」であるこの3ヶ月目を、全力で走りきることです。ここで勝負は決まります。あなたの腰痛が完治するかどうかが決まるのです。
僕は、「患者先行型治療」に取り組む3ヶ月間は、全生活の50%くらいのエネルギーを投入すべきだとすでに述べました。
それと同時に、本音を言えば、80%くらいのエネルギーがあった方がいいことも述べました。ただ、80%となれば現実的に厳しいので、50%ということを主張しているのです。
しかし、もし80%くらいを投入できるなら、ぜひ投入してください。80%というのは、寮生活をしている高校球児が野球に使うのと同じくらいのエネルギーです。なかなか厳しいかもしれませんが、あなたの可能な範囲で、できるだけ多くのエネルギーを使ってください。
仮にそれが30%程度であったとしても、あなたの中でそれが精いっぱい投入できる範囲ならば、30%でもいいでしょう。ただし、その30%分は、本気で治療に取り組むようにしてください。
そのように、最後まで完全に走りきったなら、結果はかならずついてきます。少なくとも、全く意味がなかった、ということはありません。
一生懸命、「患者先行型治療」の3ヶ月間を走りきった上で、仮に負けたとします。つまり、あなたは地方の県立高校。それに対して、相手は大阪代表の野球強豪校です。
この両者の試合で、あなたの方が負けたとしても、接戦になっているでしょう。「いいところが全くなく、大量点差を付けられて負けた」ということはないはずです。
かならず、観客に強く印象に残るような、美しい場面、一矢報いた場面を作った上で、惜敗するはずです。
力を出し切った上で負けたなら、かならずそれは、経験として後に生きます。あなたの腰の状態は、少なくとも治療の経験を経て、「完治」でなかったとしてもかなり「完治」に近づいていることでしょう。
その状態からならば、時期を隔ててもう一度、患者先行型治療に挑戦すれば、今度は勝つはずです。その、再チャレンジのときは、すでにあなたの中で「あなただけのノウハウ」が構築されているのですから、無駄な時間やお金を投入することもないでしょう。
最初の挑戦のときよりは、悠々と試合にのぞめるはずです。つまり、「腰痛治療」という試合です。
そのときには、あなたは「強豪校」に変身していますから、勝利することも簡単です。
このように、全力を出し切ることは、とても意義があることなのです。
次の記事は、「ラストスパートの力をつかう」ことについてです。